観てきた
意外だったのはけっこう泣いている人がいたということ。
『ボーリング・フォー・コロンバイン』は痛ましいと感じる部分はあってもさすがに泣ける映画ではなかったと思います。
事前情報でもそういう話はあまり聞いていなかったので、映画館ですすり泣きが聞こえたりハンカチで目を押さえる女性の姿に出会うとは、予想外でした。
以下ネタバレ注意。
確かに泣けるシーンはありました。
それは息子がイラクで戦死してしまった女性がホワイトハウス前で泣き崩れてしまう場面でしょう。
私もグッときました。
この女性は父親も親戚も軍人ばかりという一家で、登場時のインタビュー(息子が戦死する前)では「誇りを持って息子を軍隊に送り出したわ」と語っています。
それが悲劇に直面して考え方がすっかり変わってしまう。
彼女が「息子を返して」と膝に手をついて涙を流す場面は胸をうちます。
しかし、私の中の理性的な部分が「息子を殺したのは、戦地へ送り出すように喜んで育てたあなた自身じゃないか」と彼女を責めます。
いや、年齢的にも立場的にも私は彼女より戦死した息子により感情移入できますから、情緒的な部分でもそう非難したくなる気持ちが起こるのかも知れません。
ただ彼女も「みんな無知なのよ。私もそうだった」と語っていて、自責の念は持っているに違いないので、そこがまたせつないのです。
とにかく、現代の先進国に生きる人、必見の映画です。
観て下さい。