文学フリマ事務局通信

主に文学フリマ事務局代表が書く雑記帳です。

サークル配置について考える

現在、5/6開催の「第十四回文学フリマ」の参加サークルのカタログが公式サイトで公開されています。

今回は全648ブースとなります。

なるべくジャンルに分けて配置を行っています。


現在、文学フリマのジャンルは「小説・詩歌・ノンフィクション・評論」の4つに分かれています。

参加サークルはそのジャンルの詳細を示すために3つまでの「キーワード」を任意に記入できます。

この形式は2009年12月の「第九回文学フリマ」から導入されたものです。

それ以前のカタログ情報は、前述のジャンルに「その他」を加えた5つの分類があり、あとは見出し文をつけるという形式でした。

参加ブースが300を超えたことで、一般来場者に対してよりわかりやすく情報を明示するため、(一般来場者にとっては)情報としてほとんど意味を持たない「その他」という分類を無くし、3つのキーワードという形でサークルの特徴をパッと見でわかりやすくするための変更でした。


しかし、そろそろこの形式にも限界が来ていると今回の配置で感じ始めています。

問題点としては以下のとおりです。

  1. サークル数が600を超え、物理的に4ジャンルの分類での把握が難しくなってきた
    1. 全体の中で小説ジャンルの締める割合が6割以上となっているため、小説ジャンルは特にわかりづらくなっている
    2. ジャンルの細分化は配置作業の軽減にもつながる
  2. キーワードの自由度が高いぶん、来場者にはわかりづらい
    1. キーワードが抽象的すぎたり、逆に具体的すぎて内容が掴めない場合がある
    2. 結果としてサークル側が望まないジャンル配置をされる可能性がある

1番目に関しては、この形式を導入した第九回文学フリマのころから300ブース近く増加しており、物理的に対応しきれなくなっていると感じます。

特に小説ジャンルだけで約400ブースもあるため、あきらかにカタログ上の閲覧性の点では不利になってしまいます。

また、事務局サイドの都合ですが、ジャンルが細分化しているほうが配置作業がシンプルになり負担は軽減されます。


2番目に関して言えば、「キーワード」という仕組みの存在意義そのものが薄れているということになります。

もともとジャンルを明確に規定した分、キーワードは自由度が高く設定されていましたが、それが640サークルまでふくれあがった現在、来場者にとっては不親切になってしまっているのではないかと感じるのです。

また、それが配置の参考にする際にも妨げになっているケースがあるのも事実です。

抽象的なキーワードでは分類ができないのです。

例えば「虚無・供物」などとキーワードに書かれていた場合に、こちらとしてはSFやファンタジーか幻想小説のサークルだろうと思って配置をしたら、中井英夫を意識したミステリージャンルのサークルだった、なんて可能性があるわけです(あくまで例えですよ)。


というわけで、来場者にとって参加サークルの分類よりわかりやすくするとともに、参加サークルの配置のミスマッチを防ぐ意味でも現状のカタログ情報を変える必要性があると考え始めています。

具体的には、現在の4つのジャンルの下にキーワードをひとつにする、つまり大ジャンル→小ジャンルという2段階のジャンル分けにするのが良いのではないでしょうか。

まだ検討段階ですし、実施するとして小ジャンルの自由度をどこまで設定するかも問題ですが、次回からはカタログ情報が少し変わる可能性があるというお話しでした。