文章系同人誌をめぐる言葉
近頃、文章系同人誌をめぐる言葉が増えています。
それは文章系同人誌で何かをしようという機運が高まっているということでもあります。
文学フリマがその契機のひとつなら、とても嬉しい。
ただ、私は文学フリマに関しては非常に保守的な男です。
第四回から第七回にかけて、「安定した継続開催」を優先して高い抽選率のまま小さい会場で開催を続けたのは私の責任です。
それに私が事務局を引き継いだ第二回の時点で「あの大塚英志氏が立ち上げたイベント」というネームバリューを都合良く利用してきたし、有名人が参加してくれればその話題も使わせてもらいました。
2~3年前から18禁のものを扱っていたことが問題になり「同人誌即売会」に対する公共施設のチェックが厳しくなってからは、「朝日新聞や日経新聞にも載ったイベントです」とか「芥川賞作家も直木賞作家も参加してるんです」などと言って施設側を安心させることもしてきました。
メジャー寄りだと非難する声もありましたが、文学フリマの知名度と信頼度を高めるため打算的に利用してきたことは事実です。
とにかく冒険はせずに、文学フリマという〈場〉を維持することを最優先とする運営者。
そんな文学フリマ事務局が、「文章系同人誌で何かをしよう!」という運動が立ち上がってきた時に協力できることがあるのか?
最近ではそんなことを悩んだりもしています。