文学フリマ事務局通信

主に文学フリマ事務局代表が書く雑記帳です。

「PRIDE GP 2004 2nd ROUND」

やはり格闘技の地上波放送は録って出しの即日中継に限る。

観る側の気合いが変わってくる。


興行全体としては番狂わせのない試合結果だったし、どうしても8月の決勝ラウンドへのつなぎという感じがしてしまうのは仕方のないところか。

勝ち残ったのはヒョードル、小川、ノゲイラハリトーノフ

さしずめ“新・三強”+ロシアのダークホースといったところか。


ヒョードルの強さはとにかく際立っていて、やはり優勝候補大本命。

ランデルマンもよく戦ったし、あのバックドロップは見事だった。

しかしスローで見るとヒョードルがぎりぎりで右腕右肩の受け身をとっていることにむしろ驚きを感じた。


その点はランペイジ・ジャクソンvsヒカルド・アローナ戦のフィニッシュの話題とも繋がってくる。

ランペイジパワーボムが危険すぎるとかなんとか言う声も上がっているようだが(もちろんあそこでバッティングがあったことは危険だ)、アローナはいくら何でもまともに食らいすぎだろう。

アクシデント的な技ならともかく、ランペイジパワーボムは桜庭戦以来の得意技だし、その投げの強さは佐竹戦で証明されている。

またUFC34におけるマット・ヒューズvsカーロス・ニュートン*1や二回目のヴァンダレイ・シウバvs桜庭和志*2などで、「関節技を仕掛けている選手が投げられた際に受け身をとらないことの危険性」は十分明らかになっている。

つまりアローナは下から攻めた際にランペイジパワーボムを警戒してしかるべきだったし、高く持ち上げられた時点で三角締めを解きエスケープするべきだった。

ちなみにパワーボムで勢いよく持ち上げられたあの体勢は、プロレスファンなら「そこでフランケンシュタイナーで返せ!」、『バキ』ファンなら「そこで身体を反転させて“転蓮華”だ!」という風に夢の広がる場面だと思う。

*1:UFC34のウェルター級チャンピオンシップで、グラウンドで下から三角絞めを決めようとしたニュートンを、ヒューズが金網の上部まで担ぎ上げてからマットに叩き付け、後頭部から落とされたニュートンが失神KOとなった試合。実はこの時、ヒューズは狙って叩き付けたのではなく三角締めで失神したためにニュートンをマットに落としたらしく、その決着について物議を醸した。中井祐樹曰く「空中三角絞めで決まってたんですけど、落ちて叩きつけられたニュートンが負けるという、史上最もミステリアスな決着」。

*2:PRIDE.17でのミドル級王座戦、二回目のヴァンダレイ・シウバvs桜庭和志戦では、桜庭にスタンディングのフロントチョークを仕掛けられたシウバが、そのまま桜庭を担ぎ上げて後方にパワースラムのように投げ落とした。チョークを締め続けて受け身をとらなかった桜庭はマットに左肩から突っ込む形になり鎖骨を脱臼。それによりTKO負けとなってしまった。